なにをすればいいのか?
いつどこですればいいのか?

 目標達成のために実行意図を活用するには、ふたつの方法がある。

 ひとつは、その目標を構成する「チャンク」(編集部注/かたまり)に注目する方法だ。長期的な目標の場合、このチャンクは日頃定期的に行なっている行動であることが望ましい。たとえば、45分間、楽器の練習や語学の勉強をするとか、次のマラソン大会に向けて1時間トレーニングをする等で、これらは実行意図の「何を」の部分を構成する。

 やらなければならないチャンクを特定したら、その行動を引き出すにはどのような状況がトリガーとなるかを考えてみよう。手っ取り早いのは、自分の日々のルーティンに注目してみることだ。トリガーとして最適なのは、特定の時間や場所で定期的に生じる事柄であり、これが実行意図の「いつ」「どこで」の部分を構成する。

 たとえば、朝セットしている目覚まし時計や夕方仕事から帰宅すること等をトリガーにすると、実行意図はこんなふうになる――「水曜日は帰宅したら、1時間マラソンのトレーニングをする」「目覚まし時計が鳴ったら、45分間フランス語のリーディングをする」。前述の予防接種の事例で確認したとおり、こうしたプランは、自分で書いて主体的に実行にコミットすることによって、効果をより一層高めることができる。