そもそもですが、Aさんがネット上の界隈に足を踏み込んだのは、推し活のためにほかなりませんでした。学校や家庭に居場所がなく、ネット上を彷徨っているうちに居心地のよい界隈を見つけたわけではありません。私が見る限り、Aさんの学校生活は充実しており、居場所やリア友に関する深刻な悩みもないため、ネッ友に依存する必要性がないのです。

グループの秘密の会話を漏らす
裏切り行為が露見した

 信頼できる家族・友人がいないからネッ友に依存し、さらなる関係性を求めリア友に発展させようとする……と単純に割り切ってはなりませんが、その傾向はたしかに感じます。

 不登校児(および予備軍)や、その親御さんと話をしていると、明らかにSNS・ゲーム・ネッ友の話題や悩みが多いのです。なかには、お子さんがトラブルを起こしてしまい、対処に苦慮している事例もありました。

 中学2年生のBさんは、とある無料ゲームのヘビーユーザーです。彼女が起こしたトラブルは、大人たちにとっても身に覚えのある女子グループでよくある騒動と似ています。

 たとえば、ある女子生徒Cさんが、学校内で複数のグループに所属しているとします。クラス内の4人グループ、クラス内外の6人グループ、部活内のグループといった具合に、3つのコミュニティに所属しているという状況です。それぞれのグループのメンバーには重複が見られるものの、基本的には別グループです。