また、従来の繁忙期は7月下旬から8月いっぱい、閑散期は9月、11月の平日など、ざっくりとした期間で決まっていたが、最繁忙期の登場にあわせてメリハリのある設定に変更。

 最繁忙期を年末年始やゴールデンウィーク、お盆のピークに集中的に設定するとともに、その前後に通常期、閑散期を設けるなど、ピークシフトを強く意識した設定となった。

 通勤路線とラッシュの関係と同様に、新幹線も年末年始やゴールデンウィーク、お盆の三大繁忙期に臨時列車運行に備えた車両や設備を保有している。

 それでもピークは指定席の予約が取れず、自由席乗車率が200%近くに達するが、車両増備、増発など供給量を増やしてもキリがなく、経営効率が下がるだけなので、価格差をつけて需要側を調整する必要がある。

自由度が低い
鉄道の価格戦略

 もうひとつ期待できる効果は「機会損失」の解消だ。ホテルの空き室や交通機関の空席は翌日に持ち越して販売できない。値下げすれば売り切ることができるかもしれないが、全体を値下げすれば減収になり、直前になって売れ残りを値下げすれば顧客の信頼を失う。