一方、PayPayは個人間送金やグループ支払いなど柔軟なサービスを提供しており、Suicaはキャッシュレス決済手段としての魅力に劣る。

 駅構内の売店、コンビニなど1分1秒を争う店舗であれば、QRコードを表示して読みこませるより、タッチするだけで完結するICカードが有利だが、QRコード決済は個人店にも広く普及しており、JR東日本経済圏をマチナカに広げていくうえではネックとなる。とくにICカード普及率の低い地方では太刀打ちできない。

クレジットカードのタッチ決済に
Suicaは太刀打ちできるのか

 また近年では、クレジットカードを直接タッチして支払う「オープンループ」と呼ばれる決済手段が交通業界にも広がりつつある。関西の主要な鉄道事業者は関西万博を見据えて2025年春までに導入を完了する予定である。関東の大手私鉄でも実証実験が行なわれている。

 Suicaは事前にチャージして使うプリペイド型だが、クレジットカードのタッチ決済は後払いのポストペイ型だ。Suicaで鉄道を利用した場合、一旦は通常の運賃を支払い、後でまとめて乗車ポイント、リピートポイントなどが還元される仕組みだ。