現在ではもうほとんどなくなりましたが、大学在学中は、この「他人と比べてしまうこと」による葛藤に、何度となく悩まされたと思います。

1人でも多くの味方を
作ることの大切さを実感

 そんな状況を打開してくれたのが、大学の教授やスタッフの存在でした。

 最初は戸惑ったり、イライラしたりすることばかりの大学生活でしたが、先生たちと相談しながら、さまざまな工夫を取り入れることで、次第に環境を整えることができたのです。

 そのひとつが、先ほども書いた、最初の授業での3分間の自己紹介の時間です。

 病気を持ちながら授業を受けているという事情を受講者に向けて周知することで、僕が突然大きな声を出しても不思議がらずに授業を受けてもらえるようになりました。

 そのほか、大学時代に特に助かったのは、自由に休憩を取らせてもらえるように、先生にお願いしていたことです。

 たとえば、小・中・高と、僕はよく保健室に行っていました。保健室は、よほどのことがない限りは相談を聞いてもらえるし、仮に授業中に状態が悪くなっても、いざとなったら逃げ込める「場」にもなってくれます。そういう「逃げ場」を用意しておくことで、気持ちに余裕が出て、チックが軽くなります。

 ただ、大学にはそうした「逃げ場」となる保健室はありません。