一方男性の場合は、オキシトシンは自然には分泌されません。男性は、実際に子どもを育てる作業を通じてオキシトシンが分泌されます。つまり、「子育て」というプロセスを経ることでオキシトシンの分泌が促され、子どもに対する愛情が芽生えるのです。

 男性の場合は、子どもがかわいいから面倒を見るのではなく、面倒を見るからかわいいという気持ちが生まれるのです。したがって、父親が育児休暇を取って子育てをするのは、科学的にも理にかなっているのです。もっといえば、男性は育児を行うことによって、愛情にあふれた一人前の父親に成長していくのです。

 EUの新「ワークライフバランス指令」の中の「育児休業指令」には、働く父親と母親両方に対する育休の最低必要条件と、これに関連する雇用保護について規定されています。

 主要項目は次の通りです。

「労働者は実子誕生、または養子受け入れ後に育休を取得する権利がある」。

「男性と女性は、育休の取得に際し、雇用契約の種類に関係なく同等の待遇を受ける」。

「最低4カ月の育休を両方の親に個人的権利として与えなければならない」。