本気の大人による「開かれた学校」

本気の大人学校の外から参加する「本気の大人」と共に取り組む「ラボ」  資料提供:千代田国際中学校
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木村 ABCアニメーションの代表取締役CO-CEOで、アニメはもちろん、報道、ドラマやバラエティなどの番組制作やプロデューサーをされてきた安井一成さんも熱い方で、地上波や雑誌、新聞だけでなく、個人の発信が世の中にインパクトを与えるようになった現在、そして今後のメディアの在り方を生徒たちと考えたい!との思いで「メディアラボ」を担当してくださっています。ラボの生徒たちはこれからのメディアはどうなるのか、どのような表現が可能になるのかを研究しており、現在、千代田の魅力を伝える学校紹介動画をプロの映像制作チームや脚本家の方と共に制作しています。

――「ラボ」は理系的な研究が前面に立っている印象でしたが、幅広いですね。

木村 はい。文理融合領域の研究も視野に入れています。他にも、大手コンサルティング会社のメンバーが中高校生と一緒に新しい経営戦略やマーケティング戦略を立てることで社会を変えていけるのではないかとラボの新設を提案してくれたりしています。これからも生徒たちの要望も踏まえて多様なラボを開設していきます。

 中学生の段階では、自分のやりたいことがすぐに見つからないのが普通だと思います。まずは“本物”にたくさん触れ、自分らしさを発揮しながら世界に貢献するための方向性を模索してもらいたい。千代田では、大学の研究室のようにラボに所属して、継続的に「本気の大人」たちと一緒に、自分もみんなも幸せになる未来を追求していきます。

――ところで、どのくらいの生徒が今年度のプレ実施に参加していますか。

木村 現状では1割程度です。最初は任意で始めて、その生徒のペースに合わせるのがいいと思っています。

――その点は大切だと思います。本日お話しいただいたことは、端的に言えば全部「探究」ですから。今日の「探究」の失敗の原因は、いついつまでにテーマを決めてクラスで一斉に「成果」をそろえるような仕組みそのものにあると思います。コンテストで優勝するとか、論文にできるかどうかばかりを考えている。だから、課題のテーマも浅くなり、探究のフェスタなどイベントも面白くない。