うまいと言われている人のスピーチを聞いて、これはと思ったフレーズを真似するのもいいと思います。子どもが言葉を覚えるときと一緒です。耳で聞いた言葉を片っ端から真似していくのです。

 本でも語彙は増えますが、話し言葉と書き言葉は違うので、本から得た言葉がそのまま会話で使えるかどうかはわかりません。それでも本をたくさん読んだほうが読まないより、ずっと語彙は増えるでしょう。

 とにかく言葉は相手に伝わらないと意味がありません。難しい言葉をたくさん覚えるよりは、身近な話し言葉の類語を増やすほうがいいでしょう。たとえば「楽しい」という言葉をいくつの言葉で言い換えられるかといったことです。

 語彙が増えれば増えるほど、相手により正確に状況が伝えられますし、当意即妙に切り返すこともできます。

話を転換するときはいったん
相手の言葉を受け止めてから

 話の内容を変えたいときは、直前の相手の言葉を受けた上で、次の話題に移行すると、うまく話を転換できます。

 コミュニケーションはキャッチボールです。

 たとえば相手が「昨日の会議、進まなくて困ったよ」という話をしていたとします。自分は今の仕事の進展具合を聞きたい場合、「ところで○○の件なんですが」といきなり話題を転換すると相手は話をぱちんと切られた感じがして、あまり気分がよくありません。