ジャガーのシンボル「跳躍するヒョウ」はどうなる?

 ではジャガーのシンボルである「リーパー」(跳躍するヒョウのシンボル、リーピングジャガーとも)はどうなるのか?

 社名を変えるわけではないから、もちろんこちらは継続して使われる。しかしデザインは大きく変わる。以下が新しいメーカーズマークだ。

真鍮のプレートに彫られたジャガーのメーカーズマーク真鍮(しんちゅう)のプレートに彫られたジャガーのメーカーズマーク(広報写真)
今までのリーパー(広報写真)こちらは今までのリーパー(広報写真)

2026年までに全車両をすべて電気自動車に

 プレゼンテーションでは、「“常に前進し続ける”という企業姿勢を表すこのマークは、ブランドの卓越性を示している」との説明があった。

 ご存じの通り、ジャガーは逆風吹きすさぶEV(電気自動車)へ特化することを以前から表明している。しかもHEVやPHEVでエンジンを残すことはせず、純然たるBEV(Battery Electric Vehicle、バッテリーの電気のみを使い、モーターを動かして走るクルマ)一本で勝負に出るのだ。個別インタビューで、その方針に変わりはないのかと尋ねると、「一切、変更はない」との明確な回答が得られた。担当者は「2026年までに、ジャガーで販売する全ての車両をBEV化する」と明言した。

「ジャガーはブランドを『再創造』します。我々は創業者であるサー・ウィリアム・ライオンズが提唱した『コピー・ナッシング』の精神を受け継ぎ、ユニークで独創的なジャガーに生まれ変わるのです」と。

「コピー・ナッシング」。直訳すると「何もコピーしない」。独自性と革新性を重視するジャガーの信念を表す、創業者の言葉である。意訳すると「他社のマネをしない」。さらに踏み込むと「我が道を行く」ということになろうか。

 画面には、「FEARLESS」(大胆不敵)、 「EXUBERANT」(勇気凜々)、「COMPELLING」(目が離せない)と威勢の良いワードが並んでいる。これらが新生ジャガーのキーワードになるようだ。

「今回の大変革は、ジャガーの本質を捉え直し、過去にジャガーが愛されていた価値観に立ち返りつつも、現代のお客様にふさわしいものにするための再構築です。我々は未来に向けてジャガーを創造し、お客様やジャガー・コミュニティの生活をより豊かにするためのブランドとしての地位を取り戻そうとしているのです」

 チーフ・クリエイティブ・オフィサーのジェリー・マクガバンOBE教授はこう語った。温故知新ということですね。ちなみにProfessorの前に付く「OBE」とはOrder of the British Empireの略で、大英帝国勲章を意味している。要するに“勲章をもらった、ものすごく偉い人”ということである。