「今日は埼玉県民の日です」東京ディズニーの朝礼でスタッフが恐怖に震えるワケ笠原一郎『ディズニーキャストざわざわ日記』(三五館シンシャ)

「今日は埼玉県民の日です」
感嘆とも落胆ともつかない...

 忘れてはならない混雑日が「県民(都民)の日」である。10月1日は「都民の日」、6月15日は「千葉県民の日」、11月14日は「埼玉県民の日」となっていて、この日は公立の学校などが休みになるので、学生や家族連れが押し寄せる(どういうわけか神奈川県は「県民の日」をもうけていない)。

 11月13日の「茨城県民の日」や、11月20日の「山梨県民の日」などにもそれなりの数の県民が来園するのであろう、混雑する。

 なかでもとりわけすごいのが「埼玉県民の日」である。朝礼時にSVから「今日は埼玉県民の日です」と話があると、感嘆とも落胆ともつかない、ざわざわとしたどよめきが起こる。

 どうも埼玉県民はマナーに若干の問題があると思われているフシがある。ただし、埼玉県民の名誉のために言っておかねばならないが、私が観察するところ、マナーにおいて特段の違いは認められない。

※トラッシュカンがあっという間にいっぱい
 混雑している日にはバックステージにあるゴミを捨てるコンテナも満杯になり、仕方なくコンテナの横にゴミ袋を置くこともある。夕方になると外部の清掃業者がトラックでやってきて、このコンテナごと運び出し、新しいコンテナと入れ替えていく。
※コンパクティングボード
 茶色の四角い板で、ゴミ を上から押して圧縮する。ゴミの中には何が入って いるかわからず、キャス トの安全を守るためにも このボードを用いる。
※大声で注意を喚起
 SVからは、ゲストのそばばかりでなく、ゲストのいないところでも声を出すように指導された。私はナンセンスだと思い、従わなかった。
※埼玉県民
 何を隠そう、この私も2年半のあいだ、さいたま市民だった。最寄り駅は北浦和で、北浦和公園や「肉の万世 北浦和店」にはよく行っていた。