迷った時の基本「STP」
限られた市場で成長のヒントをつかむ

 STPとは、マーケティングの重要なフレームワークの一つで、「セグメンテーション(Segmentation)」「ターゲティング(Targeting)」「ポジショニング(Positioning)」の頭文字を取ったものです。

 まず、セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲティングで重点顧客を選定し、ポジショニングで競合との差別化を図るというように、順番に分析を行っていきます。これにより、どの顧客層に対して、どのような立ち位置で価値を提供するべきかが明確になります。

 では、具体的にどのように使うのでしょうか?

 まずは、限られた経営資源を有効に利用するために、不特定多数の顧客を同じニーズや性質を持つ小集団に分け(セグメンテーション)、その中から具体的にどの顧客へアプローチするのか(ターゲティング)を考えるところからはじめます。

 セグメンテーションで大切なのは、何を基軸として顧客を分けるかです。一般的に複数の軸を組み合わせて分類します。多くの場合に有効なのは、人口動態、地理的特性、行動特性、心理特性を変数として分析することです。

 近年は、政府が提供する統計データをe-Statなどから誰でも簡単に取得できるようになってきました。そのため、気になる特性情報をPythonなどのコードやデータ分析ツールへ読み込んで、少々複雑なセグメンテーション(データサイエンスでいう「クラスター分析」)も簡単に行えるようになりました。