こう考えていくと、息子がいじめられる可能性は、どんどん増していく。
だけど学校の先生は、助けてくれないだろう。モグラ叩きゲームみたいに、ひとつのいじめが解決しても、また別のいじめが発生する。大量の業務を抱える先生の立場になれば、いじめられている子が卒業までじっと我慢してくれるのがいちばんラクだ。
クラスの誰かが助けてくれるかといえば、そう単純でもないだろう。
僕も高校のときにいじめに遭い、金品を要求されていた。相手は『ドラえもん』のジャイアンのような暴れん坊。毎朝、おなかが痛くなるくらい、学校が嫌になった。
やがて、僕と同じ中学出身の生徒が止めに入ったため、ジャイアンによるいじめは終わった。だけどこれは、ハッピーエンドや「ちょっといい話」じゃない。
止めに入った子は、僕をおどしていたことをネタに、ジャイアンをおどして金品をまきあげはじめた。単純に、中学時代の同級生がジャイアン以上のワルだったのだ。
毒には毒で戦うほうがいいのかもしれないが、息子に毒なんか蓄えてほしくない。
では、どうすればいいのだろう?
息子をいじめから守るために
父が考えた3つの方法とは
息子をいじめから守る方法として、僕が考えていることは、3つある。
第1に、愛情を注ぐこと。いじめの問題はやっかいで、子どもが被害者ではなく加害者になる可能性もある。息子は体が大きく力が強いから、ポテンシャルは高い。
僕は加害者側からも話を聞いたが、いじめる子はたいてい愛情不足だ。それなら親次第で、いじめの加害者になることを防げるはずだと思う。
だから息子にはできるだけの愛情を注ぎたい。また、妻と僕は親なのだから、被害者になった息子が「いじめられた」と打ち明け、助けを求めてくる存在でありたい。
第2に、相手に伝わる話をする力をつけさせること。
大人の力を借りず、子ども自身で解決するのがベストなのは間違いない。話し合いはコストもかからないし、精神的にもいい経験として、息子を成長させてくれる。