その理由は、「具体性」がないからです。受け取った人の姿が全くイメージできません。
この文章は、贈られたお歳暮の包装を解かなくても書けるような文章です。もしかしたら、もらったお歳暮は包みをほどくこともせず、そのまま別の人への「お歳暮」として使い回したのかもしれません。そんな可能性さえあるような文章です。
では、どう書くべきかというと、やはり、相手の頭にイメージが浮かぶように「具体的に描写する」ということが大事です。
お礼状は、「羊羹をもらってとてもうれしかった」ということを伝えるものです。すなわち「羊羹をもらってうれしかった気持ちを伝えなさい」という「出題」だと考えればいいでしょう。
ということは、その気持ちを具体的に書かなければいけません。例えば次のような書き方です。
自己PRは相手の頭の中に
人物像が浮かぶようにする
こちらの文章には、受け取った側が喜んでいる情景が具体的に書かれています。「甘さ控えめでほんのりと栗の風味も漂い」「左党の父も、『この羊羹なら何切れでも食べられる』とお代わりした」などの描写によって、「家族が喜んで食べている」映像が頭の中に瞬時に浮かびます。
このような具体的な描写をすることによって、「なるほど、とても喜んでもらえたのだな」と読み手は納得することができるのです。
「具体的に書く」ということに関して、別の文例も見てみましょう。