植物性は吸収率が低いので
動物性とセットで摂取
鉄を含む食材は、肉や魚といった動物性のヘム鉄と、ほうれん草や小松菜といった植物性の非ヘム鉄に分かれます。
「ほうれん草は鉄が豊富」といった認識が世間に広まっていることもあり、「ほうれん草を食べているから鉄はしっかり摂れている」と考えている人も少なくないのではないでしょうか。しかし、非ヘム鉄は吸収率がとても低く、わずか2~5%しか体に吸収されません。
それに比べ、ヘム鉄の吸収率は約20%なので、その差は歴然。まずはヘム鉄を積極的に摂るように意識しましょう。
また、ヘム鉄と非ヘム鉄は一緒に摂らないと吸収率が下がってしまいます。そのため、献立を考える際には、レバニラ炒めと、ほうれん草と豆腐のみそ汁を組み合わせるなど、ヘム鉄と非ヘム鉄をセットで摂れる組み合わせを考えましょう。
牛乳の飲み過ぎに
注意すべき理由
鉄は食べ合わせも非常に重要です。コーヒーや緑茶、煎茶などに含まれる「タンニン」は、非ヘム鉄の吸収を阻害する働きがあるため、できれば食事中は飲むのは控えましょう。
また、牛乳などの乳製品も、過剰に摂取すると鉄の吸収を阻害してしまうことがわかっています。「牛乳を飲むと背が伸びる」といって牛乳を多量に飲ませる親子さんも多いかと思いますが、牛乳は鉄の吸収を阻害してしまう上、脂質も含まれているので、飲み過ぎには注意が必要です。

伊藤明子 監修、若宮寿子 レシピ作成・調理
目安は1日コップ1杯(200ml)程度。これ以上子どもが欲しがる場合は、アーモンドミルクやオーツミルクなど、植物性ミルクに置き換えるのがおすすめです。
反対に、「ビタミンC」などの抗酸化物質は鉄の吸収を促進してくれる働きがあります。「ビタミンC」を多く含む食品は、果物や野菜、いも類など。同じく抗酸化物質の「クエン酸」は、梅干しや柑橘類に多く含まれます。果物やいも類は糖質が多いので適量にとどめる必要がありますが、こうした食材をセットで摂ると、効率的に鉄を吸収することができます。
また、鉄製の調理器具を使って調理をすると、食品に吸収されやすい鉄が溶け出し、微量ですが手軽に鉄を摂ることができます。
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焼き豆腐とささみのチーズグラタン風

材料(2人分)
鶏ささみ肉…2本
焼き豆腐…1丁
小松菜…100g
赤パプリカ…1/4個
しょうゆ…小さじ1
みりん…小さじ1
塩・こしょう…各少々
オリーブオイル…小さじ2
マヨネーズ大さじ2
牛乳大さじ1
塩・こしょう各少々
ピザ用チーズ…30g
作り方
(1)鶏ささみは4等分に切ってポリ袋に入れ、しょうゆとみりんを加えて10分おく。
(2)焼き豆腐は横に6等分に切る。耐熱の器に入れて塩・こしょうをふり、1の鶏ささみをのせてラップをかけ、600wの電子レンジで5分加熱する。
(3)小松菜は3cm長さに切り、パプリカはヘタと種を取り除き、5mm角に切る。
(4)フライパンにオリーブオイルを熱し、3を炒める。
(5)2の上に4をのせ、Aを混ぜて回しかける。ピザ用チーズを散らし、オーブントースターでチーズが溶けるまで焼く。