どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。

職場で出世しない人は「サイレント減点」されている。決定的な1つのタイミングとはPhoto: Adobe Stock

出世しない人は「初対面」でこっそり減点されている

人間関係は第一印象が9割とも言われています。これは、ビジネスの場でも同様です。最初にデキる営業マンという印象を持ってもらえれば、仕事がスムーズに進みやすいです。逆に、第一印象でネガティブなイメージを持たれてしまうと、その後の仕事がなかなかうまくいかないこともあるかと思います。

僕が勤めるメガバンクは平均すると3年に一度異動があるので、その度に営業担当の変更があります。特に、伝説の営業マンの後任だったり、担当が若返る時はどうしても第一印象が悪くなる傾向にあります。伝説の営業マンは本当にお客さんの懐に入って痒いところに手が届くようなサービスを提供しているため、追いつけません。単純に若返った時もお客さんからすると不安に感じることの方が多いです。今回は、どうしても第一印象で失敗してしまったときの対処方法について解説していきます。

減点は「誰か」「何か」との相対評価で決まっている

まずは、第一印象がどのように形成されるかの解像度を上げていくと分かりやすいです。あなたが、誰かと初対面で挨拶をした時に重視するポイントをいくつか挙げてみてください。
身だしなみ、口調、態度、発言等気にする点は多岐にわたると思います。では、そのポイントの基準は何でしょうか。それは、今までのあなたの経験に基づく比較にほかなりません。つまり、誰かと常に比較をして、良し悪しを決めているのです。

これを踏まえると、仮にあなたの顧客があなたにネガティブな第一印象を持った場合には、「誰か」と「何か」を比較してマイナス評価となっているのです。

営業の現場では、プライベートと比べてこの基準を探し当てることは簡単です。「誰か」については、自分の前任者か、競合企業の営業マン、「何か」については知識量や訪問の頻度等が該当するでしょう。実際にその顧客が何を比較されているかは、前任者に確認するのが一番手っ取り早いです。

このように、ビジネスパーソンとしての初対面は「サイレント減点」されやすいタイミングです。「同じパフォーマンスなのになぜか評価されない」という意味のわからない悲劇を防ぐためにも、注意しておくにこしたことはないでしょう。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を調整・加筆した書き下ろし原稿です)