誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになります!

【精神科医が教える】体調不良になったからこそ見えた幸せのかたちPhoto: Adobe Stock

体調不良になってわかったこと

今日は「不便さが教えてくれる幸せ」というテーマでお話しします。

先日、久しぶりに風邪をひいてしまい、仕事を休まざるを得ないほど体調を崩しました。だるさや熱、咳などで動けず、ただひたすら寝て過ごさざるを得ませんでした。

そんな状態から少し体調が回復してくると、日常の何気ないことが、とても幸せに感じられるようになったんです。

当たり前のことが特別に感じる

体調が少し回復して少し体を動かせるようになって、顔を洗ったり、ちょっとした片づけをしたり、近所のコンビニまで食べ物を買いに行ったりしたのですが、それだけでも幸せを感じるのです。

普段なら当たり前の行動ですが、体調を崩してなにもできない状態を経ると、なんだかとてもありがたく特別なことにさえ感じられます。

悪天候が続いた後だと、ただの散歩でも、天気がよく久しぶりに見る景色を目にするだけで、新鮮に感じられたりもします。普段ならなんとも思わないようなことが、やはり特別なことに思えてきます。

制限が生む新しい幸せのかたち

元気で活動的なときには、当たり前のように仕事に励んだり、運動をしたり、旅行に行ったりと、忙しい日々を楽しむ幸せがあります。

それが体調を崩して不便さや制限される状態を経ると、また違う視点で幸せが感じられてくるのです。それまで当たり前だった日常の一瞬一瞬が、より貴重で穏やかな幸せとして感じられます。

なんらか不幸な状況にいたとしても、幸せが完全になくなるわけではありません。むしろ、その状況だからこそ見えてくる幸せが必ずあるはずです。

幸せは日常の中にある

私たちは、忙しい日々や困難な状況の中で、まだ気づいていない幸せがたくさんあるのではないでしょうか。少し立ち止まって視点を変えることで、いまこの瞬間の新しい幸せに気づけるかもしれません。

そんなことを考えながら、今日一日を過ごしてみるのもいいのではないでしょうか。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 50代を上手に生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。