(3)布製カバータイプ
近年増えてきているのが、布製カバータイプです。タイヤソックスやスノーソックスと呼ばれており、BMWなど一部の自動車メーカーで純正オプションとして販売されています。特殊な繊維が、タイヤと路面間の水膜を吸収することでグリップ力を高め、スタッドレスタイヤと同じような働きをしてくれます。
ただし湿気を含みやすく、駐車時間が30分を超えるような場合には凍結するリスクがあるため、その場合には外す必要があります。また使用後はしっかりと乾燥させることもポイントです。メリットは、軽量かつコンパクトで着脱が簡単なことや乗り心地が快適なことですが、乾燥した路面の走行では耐久性が低いことや、推奨車速が低い(乗用車は時速50km以下など)ことはデメリットといえます。
チェーン規制ではチェーンの種類までは規定されてはいませんが、道路運送車両の保安基準(走行装置等)第9条第4項では、「タイヤ・チェーン等は走行装置に確実に取り付けることができ、かつ、安全な運行を確保することができるものでなければならない。」とされています。JAFでは「布製カバータイプの場合は、チェーン規制に対応できない可能性がある」としており、注意が必要です。
また、スプレーで薬剤をタイヤへ吹き付けるタイプのものは、チェーン規制中に通ることはできません※。こちらも併せて注意してください。