mixi2の開発チームは現在10人

 今日(1月16日)で、mixi2リリースからちょうど1カ月がたつ。リリース直後の盛り上がりが激しすぎて、登録だけしてその後使わなくなってしまった人も多かったため、口が悪い人は「Clubhouseみたい」などと揶揄しているようだ。リリース直後のお祭り騒ぎ、そして年末年始を経て、今、mixi2はどうなっているのか? 笠原氏に聞いていこう。

「実数は公表していないのですが、アクティブ率、アクティブユーザー数、投稿ユーザー数、投稿総数、いずれもジワジワと上がっています。12月31日、1月1日に年末年始の季節性でぐっと上がった後、1月2日には下がりましたが、12月30日以前よりも高い水準です。そして1月2日以降、ジワジワとそれらの数値が上がっています」(以下、鍵カッコ内の発言はすべて笠原氏)

 開発チームは、当初より少し増えて、現在約10人だという。「本当に少数精鋭なチームで作っている、という感じですね。エンジニアだけじゃなくて、デザイナーも、PDM(プロダクトマネージャー)というか企画的な人、カスタマーサポートなど、いろんな職種を含めて10人です」

 10人すべて、初代mixiの経験者なのだろうか。それだと平均年齢が高くなりそうな気がするが……。「過去にSNS mixi※をやっていたメンバーと、(未経験の)若手の混成チームになっています。ざっくり40歳前後のややベテランと、20代の若手と交ざってやっている感じです」

※本文ではmixi2と見分けが付きやすいように「初代mixi」と書いているが、笠原氏は「SNS mixi」と呼んでいるため、以下、笠原氏の発言では「SNS mixi」と表記する。

mixi2をの開発を始めた、3つの理由

 mixi2の開発は、2023年に始まった。2023年といえば、ちょうどイーロン・マスク氏がTwitterを買収し、名称や機能などさまざまな変更を行ったことで、ユーザーの“Twitter離れ”が進んだ年である。

 mixi2の開発には、大きく3つの理由があったという。1つは、MIXIという会社のアイデンティティに関わるものだ。

 初代mixiのほかにも、ゲーム「モンスターストライク」や家族向け写真共有サービス「みてね」など、コミュニケーションを核としたサービスを展開してきた実績がある同社としては、「MIXI社自体が、いろんなコミュニケーションサービスを作ってきている会社なので、SNSにおいて何か一石を投じたいという思いはずっとあった」と笠原氏は語る。

 2つめは、現代のSNSへの問題意識だ。もともとのSNSは“つながった人との関係性を深める”というコンセプトだったが、「レコメンドを強く効かせることで、よりメディア化していく」という昨今のSNSの潮流に対して、mixi2ではあえて原点回帰を目指した。「(今のXやFacebookが)自分中心ではなく、より……なんでしょうね、自動的に(コンテンツを)見せられる形に変わっていっていますよね。そのことへの問題意識がありました」

 そして3つめが、TwitterがXに変わったことだ。「短文テキストのSNSにおけるチャンスが生まれる可能性があるんじゃないか、という判断がありました」

 上述の通り、mixi2は初代mixiよりもかつてのTwitterに似ている。リアクション絵文字はSlackやMisskeyを思い出させるが、笠原氏は「特定のSNSを意識したわけではない」と強調する。

「自分たちとしては、つながった人との関係性を深められるとか、同じ興味関心についてコミュニケーションできるサービスを作りたいと思っていて。そのために必要な機能を、さまざまなアイデアを出し合いながら、チーム内でもその辺は本当にいっぱい議論しました」