なぜ、mixi2は初代mixiとまったくつながっていないのか
新しいSNSをアクティブに使ってもらうには、「つながっている人が最初からたくさんいること」は非常に重要になってくる。例えば、LINEはスマホの電話帳から友人を一斉に友達に追加する機能を、Threads(スレッズ)はInstagramのユーザーをそっくりインポートする機能を持っていたために、ユーザーは最初から何人ものフォロワーがいる状態で使い始められたし、多くのユーザーが活発に利用できたといえる。
mixi2も、初代mixiからマイミクをインポートする機能や、mixi2から初代mixiの日記が書けたり、mixiニュースが見られたりする機能などがあれば便利だろうと思うのだが、初代mixiとmixi2は、IDも機能的にもまったく連携していない。初代mixi上では、mixi2のアナウンスすらしていない。これはなぜなのだろうか?
初代mixiとmixi2を、笠原氏は明確に切り分けて考えている。「SNS mixiは長い歴史があって、PCから始まっているので、本当にいろんな機能がたくさんある」と説明する。
「(SNS mixiでは、)長い人だと、20年前につながった人との関係性がある状態。そっちはそっちで、もう世界観ができ上がっている。そこで、急に新しいSNSが始まったと言われても、戸惑う人はやはり多いと思うんですよね。今の機能とか人間関係とか、使用感みたいなものが好きで使ってくださっている方たちだと思っているので、そこを急に変えますというのはちょっとやりすぎだろう、というのはありました」
「あと、SNS mixiは一応、黒字で運営してはいるんですよね。なんというか、生態系としてはできてる状態。そこをあえて(mixi2との連携のために)フルリニューアルしましたとかすると、逆に混乱を生むというか……望まれてはいない可能性がある。だから(mixi2は)ゼロベースで、自分たちが新しく再定義したものを出していった方が、初代もmixi2もお互いハッピーなんじゃないか。そう考えています」
mixi2は、穏やかでほっこり、自分が主役となれるような場
こうした理由で初代mixiとの機能連携はしていないが、根底にある思想は共通している。「少し狭めの(ソーシャル)グラフの中、気軽に、なんかほっこりした感じで、穏やかにワイワイするみたいな」~このコンセプトは、確かに初代mixiからそのまま引き継いでいるものだ。
「本当になにげない、おはよう、とか、ランチでこういうもの食べたとか、そういう日常的なことが書かれていることが多いですよね。仕事から帰ってきて疲れたー、とか。そこに返ってくるリアクションも、割とポジティブというか、優しい反応が多いですし。そういった穏やかな空間でもあるなと思っています。これは最初のmixiの時にも考えていたことですけど、自分が主役となれるような、そして友だちとつながっていく場でありたい、そう思っているんですよ」
インタビュー後編では、mixi2の課題について深掘りしていく。「どう活性化するか?」そして「どうやって収益化するか?」という2点だ。現在のmixi2にはない機能など、今後の展開についても答えていただいたので、特にmixi2ユーザーにとって気になる内容になっているので、お楽しみに。