「計算くらいできるだろう」は勘違い
「早く」「正確」な計算力が必要
基本的に低学年のうちには、基礎学力をつけるということが必須になってきます。特に4、5年生になると、習い事や学校の行事、友達との付き合い、そして塾の宿題など、子どもの生活は驚くほど忙しくなり、基礎的な学力を養う時間は取りにくくなります。そのため塾に入る前、あるいは通塾回数が少ない低学年のうちにしっかり基礎学力を固めておきましょう。
その基礎学力とは、具体的には、「計算力」「読書力」「論理的思考力」の3つになります。
まず「計算力」について。
実は、思っている以上に計算が遅い子どもが多いのが現状です。親は「計算くらいできるだろう」と思いがちですが、もちろんたっぷり時間があれば誰でもゆっくり丁寧に計算をすることは可能かもしれません。しかし、入試で必要になるのは「早く」「正確に」計算する力です。この「早く正確に」という部分で、保護者の認識と実際の子どもの力に大きなギャップが生まれやすいのです。
連載第3回でもお話したとおり、計算が速いか遅いかだけでも、その後の学習に大きな差がついてきます。できれば塾に入る前から家庭で計算練習を進めていくことをお勧めします。
なお、最近では計算練習用のアプリなども充実してきています。低学年のうちは、必ずしも紙の教材にこだわる必要はありません。むしろ子どもが楽しみながら取り組めるツールを活用することで、より効果的に計算力を伸ばすことができる場合もあります。ただし、その場合も保護者がしっかりと管理・監督することが大切です。