これら各局の大株主の顔ぶれからは、次のような特徴を指摘することができる。
海外の株主に目を向けると、米ステートストリートバンク&トラストカンパニーはフジ、TBS、日テレ、テレ朝の4社の大株主。一方、米ノーザントラストはフジテレビのみである。
また、メディアの株主は、著作権の関係がある企業や同系列のメディアが株主になっていることも特徴。なお、NTTドコモは3社ともに大株主である。
グループ企業の関係者が取締役を占める割合は、特に日本テレビHDで目立っており、何もフジ・メディアHDだけが関係者で占められているわけではない。
テレビ朝日HDでも同じ特徴が見られるが、取締役15人のうち7人が社外取締役となっている。社外取の中に東映会長や朝日新聞社会長が含まれているが、独立性の高い弁護士2人や独立性の高い企業経営者もいて、バランスを取ろうとしているのがうかがえる。
フジテレビ関係者の中には、ガバナンスの欠点を棚に上げて「人権問題に敏感な米国ファンドの保有株割合が増えたせいで大事になった」などと言う人もいるかもしれない。確かに、中居氏の問題が表面化してから即座にTBSや日本テレビが「外部の弁護士の助言を受けながら、実態調査を始め、把握したら適切に対処する」と発表したことに、株主の存在は影響を与えているだろう。