選択肢は広げたままだと
失敗につながる
僕が手助けしているほかの会社でも、同じような危機を垣間見ることがある。サラダ専門チェーン店のスウィートグリーンではある時期、社員みんなが大好きなジュースの商品ラインを開発するために膨大な時間を使ったが、結局やめて主力商品に集中することにした。
スコット・ベルスキ著、関美和訳
僕も投資していた、オフィス管理のサービス提供を事業にするマネージド・バイ・Qの創業CEOであるダン・テランは、既存サービスの4分の1を切り捨てたことがあった。ダンが言うには、「オフィスへのケータリングや、健康・ウェルネスといったサービスの領域は急成長市場ではあったが、競争の激しい領域でもあった。そこで戦うよりも自分たちが最も得意な分野に集中することにした。それがオフィス清掃、メンテナンス、技術サポート、セキュリティ、管理の分野だ。当時はかなり反発も招いたし、事業目標も達成できなくなりそうだったが、あれは正しい判断だった。おかげで一番得意なことをさらに深掘りできたんだ」。
実験はいいことだし最善の目標を見つけるためには異なる道を試してみることも必要だ。だがそれが核となる戦略にはまらない場合には、切り捨てるべきだ。ただの創造性よりも、焦点を絞って創造するほうが大切だ。
もしかしたら、あなたは選択肢を広げたままにしておきたいからアイデアを殺さずにいたほうがいいと自分自身を納得させようとするかもしれない。だが、それはアマチュア作家のやることだ。ひとつのことにエネルギーを集中し、それを実現するために必死に働くほうが、成功の可能性ははるかに高い。