なぜ今J-REITなのか
高利回り&分散投資のメリット
●利回りが高く、為替リスクはない
J-REITの最大の魅力は、安定した「分配金利回り」にあります。一般的に、J-REITの平均分配金利回りは5%を超えています。銀行預金や国債に比べても、はるかに高いリターンが期待できます。
また、オルカンや米国株のような海外資産に投資する場合、為替リスク(リターンにもなり得ますが)を考慮する必要があります。一方で、J-REITは円建て資産であるため、為替変動に左右されずに運用できる点も魅力と言っていいでしょう。
特に米国第一主義を掲げるトランプ政権下においては「ドル安」を伴う可能性が高いため、円資産投資は悪くない話です(もちろん、高関税政策を実施した場合はドル高リスクとなります)。
●分散投資の効果も
NISAの影響もあり、投資信託(国内公募の追加型株式投資信託)には、毎月1兆円を超える規模の資金が流れ込んでいます。冒頭で述べた通り、一番人気のファンドはオルカン(全世界株式)で、2024年の1年間で2兆円を超える資金流入があったとみられています(出典:日本経済新聞2025年1月21日配信記事『2024年の投資信託、「オルカン」に2兆円超の資金流入』)。
ただ、ご存じの通り「全世界株式」といえど、7割弱が米国株に投資されており、中でもマグニフィセント7(マイクロソフトやエヌビディアなどのハイテク銘柄)が中心となったポートフォリオです。
そのようなポートフォリオでは、市場の変動による影響をモロに受ける可能性があります。例えば、米国株市場が大きく下落した際、オルカンも大きな影響を受けるでしょう。
こうした中、日本の不動産市場は外国人投資家の存在もありますが、主に国内要因によって動くため、グローバル市場の影響を受けにくい側面があります。
また、今都内で一棟物の収益不動産を購入しようとした場合、新築であれば利回りは4%前後。既存不動産でも立地が良ければ、3%台も珍しくありません。不動産投資はリスクが高い分、利回りが高いというイメージがあるかもしれませんが、そうとも限らないのが現状です。
そんな中、J-REITは平均して5%以上の利回りです。そして、J-REITはかなり多くの不動産を保有しているので、勝手に分散投資をしていることにもなります。
一棟物の収益不動産に特有の相続税対策の効果はJ-REITにはありませんが、J-REITは実際に不動産を購入するわけではないので投資も始めやすく、リスクの分散も可能であるというメリットがあります。一棟ビルを何十棟も買える超富裕層でなくても、さまざまな不動産に投資できるというわけです。