金利上昇で注意しておきたいポイント
初心者がJ-REITを始めるには?
金利上昇のリスクに関しては、もう一つ押さえておきたい点があります。先述した借り入れコストの増加についてです。
金利上昇は「LTV」の上昇を招きます。LTVとはLoan To Valueの略で、資産に対する借入金の割合、不動産担保の掛け目のことを指しています。LTVが上昇するのは悪いこと、低下するのが良いことです。
例えば、J-REITの資産が100で負債が70だとします。その場合のLTVは70%。物件の期待利回りが上昇すると物件の価値(担保評価)は下落しますので、借り換えが困難になるリスクが生まれます。以下の図のように、1%利回りが上昇すると、LTVは悪化して84%になってしまうのです。
銀行からすると借り換え困難ではないですが、要注意レベルですので、破綻リスクが台頭してきます。よって利上げによる信用リスクへの影響は注視しておく必要があります。決算書をよく読み、負債の状況はチェックしておきましょう。
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J-REITには、オフィス・商業施設・住宅・物流施設など、さまざまな種類があります。初心者の方は、J-REITの総合比較サイトなどである程度の目安をつけた後、個別のJ-REITの決算書などの一次情報を見ることをおすすめします。
先述した借入金の詳細情報を調べつつ、個別株投資と同じような手法で投資するのが良いでしょう。また、NISAであれば、J-REITの投資信託も成長投資枠にあります。オルカン投資にどうも結果が出ていないという人は、調べてみる価値があると思います。