(5)貯金
 貯金の有無をチェックされます。頭金で使い果たしてしまい貯金のない竹内さんは、 この点も厳しく審査されました。

(6)年齢
 30~40代だと35年の長期の住宅ローンが組みやすくなりますが、50代以降はシビアです。完済時75歳としても月8万円の17年間では2000万円も返済できません。

(7)修繕積立金
 10階建て100戸の中小規模のマンションの毎月の修繕積立金は8000円、管理費は5000円です。毎月のローンの返済分も払わなければならないので、できるだけ安いほうがいいと考えたのですが、修繕積立金の総額は300万円しかなく、これが審査で落ちた大きな理由でもありました。

(8)建替え用の総額
 築30年なので、10年後から建替えすることが懸念されます。修繕積立金が数億円は必要ですが、貯まっていないので、住み続けるには新たに一人当たり数千万円を払わなければなりません。退去するにも、購入者にも建て替え費用が請求されることが分かっているので、買う人が減り、かなり値下げしないと売れなくなります。

(9)規模
 どうしても、毎月の修繕積立金や管理費が安いほうがよければ、200戸以上の大規模マンションのほうがいいと銀行にアドバイスされました。中小規模マンションよりも住んでいる人が多く、支払う人数が多いため、1人当たりの修繕積立金が安くなります。

(10)駐車場
 駐車場があれば、他の駐車場を借りるよりも安くて済むと竹内さんは喜んでいましたが、機械式立体駐車場だと逆でした。初期費用、維持費とメンテ、修繕費が億単位でかかることもあることがわかりました。平置き駐車場は全居住者分のスペースがないので抽選ですが、将来、車を売却する場合もありますし、修繕費がかかりません。

(11)保証人
 高齢になるほど連帯保証人の有無が左右されますが、竹内さんの両親は90代で保証人になれず、子供は未成年で、離婚した妻には拒否されました。この点も不利でした。

毎月のローン返済額を
減らすための妥協

 竹内さんの場合、マンションを選び直しました。もっと価格が安いマンションを探しました。また、そうした安いマンションは、修繕積立金が少ないか、定期借地権か、1階、立体駐車場、すぐに大規模修繕工事が計画されているものばかりで、駅から遠くやや利便性が低かったり、大通りに面していたり、区画整理が予定されていたり、近所が工事中だったりしても妥協しました。

 さらに返済ローンの金利も3年間は変動金利、その後、見直して固定金利にするようにしました。毎月の返済額は異なりますが、返済総額が少なくて済む元金均等返済にもしました。