【YouTube総再生回数60億突破】知る人ぞ知る凄腕クリエイターが初めて明かす「圧倒的な企画力」のすべて。企画・マーケティング・クリエイター・営業職 必読のトップYouTube作家&マーケッター、初の著書『YouTube作家がこっそり教える 「ウケる企画」のつくり方』(ダイヤモンド社)は、企画に悩む、すべての人に向けてノウハウを初公開している。クリエイティブな仕事の全体像を俯瞰しつつ「見えない条件文」「企画発想技12選」「構成は木」「データとの向き合い方」など、わかりやすく解説。とっつきやすい「お題」も出題され、実演しながら学べる構成にもなっており、学びになるコンテンツが満載だ。現在、約30チャンネルへ企画提供をしており、有名企業のコンサルティングやアドバイザーなどを行っている著者が、そのノウハウを「PDCA(計画・実行・評価・改善)式にわかりやすく解説した本書から、一部を抜粋・編集したものをお送りする。
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【お題・掲載】
あるプロ野球選手がYouTubeチャンネルを開設しました。あなたは、そのチャンネルのコンテンツ制作を依頼されました。
チャンネルのおもな目的は、その選手の認知度の拡大とブランディング。具体的には、その選手のファン獲得や試合を見にきてくれる人の拡大です。
【企画例】
【DIY】巨木を切り倒して世界に1本だけのバットを自作してみた!
プロ野球選手が、山に入って巨木を切り倒す。ワイルドに世界に1本のオリジナルバットを製作する企画。
その製作途中や、夜景を見ながらのキャンプなどの映像とともに、野球道具の思い出なども語ってもらう。
企画の方向性:
▼性格/キャラクター ▼野球愛
発想のプロセス:
テーマとして「野球」を設定。その後、野球→バット→木製→木からつくる、という発想から「DIYしてみる」という企画まで派生させる。
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▼根っこ(企画意図)
プロ野球選手がいつも当たり前に使っている野球道具「バット」をフックに、その人の道具との思い出や野球愛とともに個人のキャラクターを伝える。
今回は、なかでも「自作」「DIY」という部分にフォーカス。木を切り倒して木材を得るところからスタートして、一から十まで本人が行い、世界に1本だけのバットをつくるストーリーに。
▼幹(コンテンツの流れ)
この幹では、演者(プロ野球選手)が「何をするのか」を考える。「どうやるのか?」といった細かい点は葉っぱの部分で考える。
【何をするのか(例)】
1. 移動中の車内でオープニング
2. 山に向かっている最中に企画意図や計画を話す
3. 泊するサバイバルキャンプ地(私有地)を決定し、拠点を完成させる
4. 目的の木を決定して、チェーンソーで切り倒す
5. 木が切れたらそこからバットづくり開始!
6. 夕方作業を中断して、夕食の準備を始める!
7. 美味しそうなキャンプ飯が完成
8. 夕食後、深夜まで作業をして就寝
9. 翌朝、モーニングコーヒーを入れてから作業再開
10. 昼頃にオリジナルバットが完成して下山
11. グラウンドに行き、完成したバットで実際にボールを打ってみる
▼葉っぱ(追加の要素・展開)
ここでは、あまりフレームワークにとらわれず、「どうやるのか?」の展開案をひたすら箇条書きにしていく。
また、撮影中に当日の現場の雰囲気などを加味していくこともある。あくまで可能性を広げるための選択肢をたくさん追加することが重要。
【どうやるのか? の展開案(例)】
・ドライブ中に寄り道、その地の名産などを食べる
・テント設営、撤収を1人でするシーンを早送りで入れる
・カンナがけ、やすりがけをするシーンを早送りで入れる
・巨木を力で倒しているシーンを入れる
・試作品を素振り、近くの石などを打ってみるシーンを入れる
・箸を忘れてしまったことに気づいて、即座に木で箸をつくる
・火起こしのシーンを入れる
・たき火を見ながら野球愛、チャンネルについて語る(BGMを落としてたき火の音だけにするなど)
・疲れて休憩するシーンを入れる
・美味しそうな肉を焼く、食事のシーンをつくる
・普段使っているバットと比較するシーンをつくる
・製作中に木製バットづくりの名人がきてアドバイスをくれる
▼実
(確実に記憶に残る瞬間・コンテンツならではの個性)
この部分は演者やチャンネルとして見せたい方向性、いわゆるブランディングの観点での要素を書いていく。
この部分を制作サイドがしっかりと共有できていることで、動画としての統一感やチャンネルのトーンなどが明確になっていく。
【見せたい方向性(例)】
・YouTubeでしか見られない演者のキャラクターや素顔を見せる
・ →1人でなんでもできる頼れる男感を随所に盛り込む
・ →一方で、虫にビックリしちゃうかわいい瞬間があれば入れ込む
・野球へのひたむきさを必ず伝える
・ →野球愛を語っているシーンを大切に編集する
・ →キャンプ中でも日課の筋トレをしているシーンを入れ込む
・ →木の種類を選んでいるシーンを入れることでプロとしてのこだわりを見せる
このように、先ほどの「木」に当てはめることで、どうアウトプットするかのイメージが、かなりつかみやすくなる。
※本稿は、『YouTube作家がこっそり教える 「ウケる企画」のつくり方』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。