「恐竜(dinosaur)」という言葉の語源は?
全米シングルチャートに最も長くランクインし続けたビートルズの曲は?
アンクル・サム〔アメリカ合衆国政府を象徴するキャラクター〕が初めてひげを生やした姿として描かれたのは、誰がアメリカの大統領のときだった?
これらは、パブクイズ〔イギリスのパブで行われるクイズ大会〕で出される意地悪な問題ではない。カリフォルニア大学デービス校神経科学センターの研究者たちが先駆的な実験で用いた19種類の質問のうちの3つだ。
実験では、まず24人の被験者にこれらの質問をし、その後でそれぞれの質問の答えにどれくらい関心があるかを尋ねた(「興味がない」から「とても興味がある」までの尺度で評価してもらう)。その後、被験者にしばらく質問の答えを考えさせる(ちなみに、正解は「恐ろしいトカゲ」「ヘイ・ジュード」「エイブラハム・リンカーン」だ)。
この実験の目的は、好奇心が人の心に及ぼす影響を調べることだった。研究者たちは、“人は何かに興味を持っているとき、その対象を詳しく記憶するのではないか”という仮説を立てていた。実際、その通りだった。被験者はつまらないと思った事実よりも、面白いと思った事実を3割も高く思い出していた。
好奇心を日常生活に
取り入れる方法
だがおそらくもっと驚くべきは、事実を思い出すときに被験者の脳内で起こっていたことだ。脳スキャンで調べたところ、興味のある内容についての質問をされたときと、そうでないときでは、被験者の神経活動は大きく異なっていた。
興味のある内容について質問されたとき、被験者の脳内ではドーパミンが分泌されていた。ドーパミンは、学習や記憶の形成を司る脳の部分を活性化させる快感ホルモンだ。つまり被験者は、好奇心を刺激されることで気分が良くなり、その結果として情報の保持能力が上がったのである。
人生に冒険を取り入れるための2番目の方法は、好奇心を活用することだ。