好奇心には、日常生活を楽しくするだけでなく、集中力を保ちやすくするという効果もある。作家のウォルター・アイザックソンは、レオナルド・ダ・ヴィンチやスティーブ・ジョブズなど、人類史上最も先駆的な人物の伝記を分析した結果、「何事に対しても好奇心を持つことは、創造性を高めるだけではなく、人生全体を豊かにする」と述べている。
では、好奇心を日常生活に取り入れるには、具体的にはどうすればよいのだろう?1つの方法は、「サイドクエスト」を探すことだ。
『ゼルダの伝説』や『ウィッチャー』『エルデンリング』などのビデオゲームには、何十ものサイドクエストが用意されている。これは、ゲームのメインストーリーには影響しないが、プレイヤーが好奇心の赴くままに探求していける謎や仕掛けのことだ。「この洞窟に入ったらどうなるんだろう?」「このエリアで一番高いところに行ってみたらどうなる?」「この湖の底まで潜ってみたら?」といった具合だ。こうしたゲームで見つけられる最高の秘密は、メインストーリーを追っているだけでは出会うことのない洞窟や森、村に隠されているのかもしれない。
1日にサイドクエストが加わると
素晴らしい何かを発見できる
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アリ・アブダール著、児島 修訳
僕は、人生はサイドクエストの連続だと考える。毎日、仕事をしながらカレンダーとその日のToDoリストを見て、「今日のサイドクエストは何にしよう?」と自問する。そうすることで、目の前にある「今日やるべきこと」に、いつもとは違った方法で取り組む可能性があることに目を向けられるようになる。たとえばそれは、オフィスを出て近くのコーヒーショップで数時間仕事をすることかもしれない。あるいは、今取り組んでいる問題を解決するために使える新たなソフトウェアを検討することかもしれない。
1日にサイドクエストを加えることで、好奇心や探検、遊び心のための余地が生まれる。そしてサイドクエストを求める過程で、まったく予想もしていなかったような素晴らしい何かを発見するものなのだ。