筆圧が伝わってくる。鉛筆を握りしめている手や、丸めた背中や、用紙を見つめている真剣なまなざしまで浮かんでくる。
うれしかった。子どもたちから届く感想の手紙というのは、無条件でうれしいものだ。月に向かって跳ねる、うさぎになりたくなる。すぐに担当編集者にも知らせて、喜びを分かち合った。「こんな風に読んでもらえたらいいね」と、ふたりで話していた通りに読んでくれているね、と。
以下、そのまま書き写してみる。ご本人と保護者の許可を得ています。
中東でおきている戦争や、ウクライナの戦争も、ニュースになっており、すごく、胸がいたみますが、これも遠くのお話に感じます。
その時、小手鞠さんの「川滝少年のスケッチブック」をよんで、すごく、戦争が身近でおこっているような気がしました。
戦争は、やはり、「過去のこと」や、「遠くのこと」などといい、忘れたり、見過したりするのは、だめだと思いました。
戦争が再び起こらないようにするには、どうすればいいのか。
みんなも、考えながら、この本をよんでほしいと思います。
過去と現在の12歳
たかが79年の隔たり
可愛い。素直だし、無邪気だと思う。
小学6年生といえば、11歳か12歳。
父が当時の義務教育だった小学校を卒業して、いわゆる中等学校に相当する岡山県立工業学校(現在の岡山県立岡山工業高等学校)を受験したのも、12歳のときだった。
都内在住の少年は令和の12歳、川滝少年は昭和の12歳。
ふたりの「12歳」のあいだには、79年という隔たりがある。
79年を、短いと思うか、長いと思うか。

人によって答えは違うだろうけれど、私は短いと思う。
とても短い。
たかが79年ではないか。
人類の誕生を20万年前だとすれば、79年など、まばたき1回分くらいに過ぎない。
まばたき1回分のあいだに、日本という国はどう変化したのだろうか。進化したのか、後退したのか。