「何かを忘れている」
という自覚症状があるかどうか

「認知症」と「加齢による物忘れ」の決定的な違い上村直人氏 高知大学保健管理センター医学部分室准教授

 認知症と診断されてはいないものの、認知機能が低下して物忘れの多くなった状態が軽度認知障害(MCI)だ。「物忘れ」は加齢による障害の代表的な症状だが、MCIはアルツハイマー型認知症の代表的な初期症状でもある。

「加齢による『物忘れ』には過去の出来事の細部を思い出せないといった特徴があるのに対し、MCIや認知症の『物忘れ』には、直近の出来事を忘れてしまい、新しいことを覚えられないという特徴があります。加齢による物忘れやMCIは『何かを忘れている』という自覚症状がありますが、認知症による場合は自覚症状がないということも特徴です」

 まずは、次のチェックリストで自己診断してみよう。

東京都福祉保健局「とうきょう認知症ナビ」より

「セルフチェックの結果が20点以上の場合はMCIの可能性があります。MCIである場合、大切な約束や契約を忘れてしまう、詐欺に遭うなど、日常生活にさまざまなリスクが潜んでいることになります」