※ご家族に行う場合は、「痛みが少ないと認知症の可能性がある」といった情報は伝えずに行なってください。
もし痛みレベルが0~3の場合は、感覚神経がにぶっている(認知機能が低下している)可能性があるので一度病院へいって検査をしてみましょう。焦らなくても大丈夫です。
本山式 認知機能改善30秒スクワットで刺激をあたえ続ければ再び痛みを感じられるようになり、MCIや認知症初期Iの段階なら必ず元に戻すことができます。
MCIの人たちは
疲れや痛みを感じない!?
私が認知症対策の運動指導を始めて数年たった頃、MCIの人たちに共通の特徴があることに気づきました。それは「いくら運動しても疲れない」ということです。
健常者のみなさんと一緒に反復運動をしてもらうと、ある程度の回数で健常者は「きつい、もうできない」と悲鳴をあげます。ところがMCIの人たちはつらい素振りも見せず、いつまでも運動を続けるのです。こうした光景をたびたび目にするうち、私は「これには感覚神経が関係しているのでは」と思うようになりました。
私たちが体を動かすときは、脳から動かしたい筋肉へ、運動神経を通じて指令を伝えます。そして筋肉を動かすと刺激(筋刺激)が生じ、それが今度は感覚神経を通じて脳へ伝わるしくみです。ですから感覚神経の不調で筋肉からの刺激が届かなければ、脳は疲れや痛みを感知できません。MCIの人たちはこの状態に陥っているのではないか、と考えたのです。
その後の研究を通じてこの予測が正しいことが実証されました。認知機能と感覚神経の深いかかわりが明らかになったのです。