「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。
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面倒な「%」の計算、どうしていますか?
この問題、みなさんはどう考えますか。ビジネスではこのような「%」を掛け算するような計算が出てくると思います。
数字に強い人なら一瞬で計算してしまいそうですが、「数字に弱い…」と感じている人は、すぐに電卓やスマホを出してしまったり、頭の中で筆算しようとしてしまうかもしれませんね。
こういった数字に出会ったときには、できるだけカンタンにしてから、計算するようにしましょう。今回は、数字に強い人が当たり前にやっている「数字をシンプルにして考える方法」のうちの1つを紹介します。
かけ算を「意味」で考える
今回の解法は、「かけ算を逆にして意味で考える」という方法です。これだけではどういうことかわからないと思いますので、丁寧に説明していきます。
まずですが、次のように考えてみてください。
ズバリ、9%が3個くらいある、と考えてみましょう。そうすると答えは、27%くらい、となりますね。
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後は、3個よりもちょっと少ないということですので、27%よりも若干小さくなりそうと予想できます。
後は、「ケタ後回し計算法」と「ざっくりぴったり算」でやっていきます。ケタを考えないでまずは頭の数だけで計算を進めていきます。
=9×(30-1)※ざっくりぴったり算
=270-9
=261
では、ケタを調整しましょう。27%よりもちょっと小さいわけですから、261%、26.1%、2.61%……と考えていくと、26.1%が答えだとわかりますね。よって答えは26.1%(=0.261)です。
面倒な「%」と小数の計算が、楽になったのではないでしょうか。
数字に強い人は「一歩立ち止まる」
いかがでしょうか。もしかすると中には「逆に難しい」「電卓を使ったほうがラク」という人もいるかもしれません。
しかし、実は数字に強い人とそうでない人の違いはここにあります。
数字に弱い人は、面倒な数字が出てきたときにそのまま向き合ってしまいます。特に暗算ができないときには、すぐに電卓などを使って計算の答えだけを求めようとします。
しかし数字に強い人は、計算する前に「一歩立ち止まって、意味を考える」ようにしているのです。この習慣がある人は、徐々に数字に強くなっていきます。なぜなら、計算をする前に、数字を「どうてなずけるか」を考えてから計算をするので、数字の意味を考える習慣が身につくからです。
このようにすれば、学生時代に算数・数学が苦手だった人も、後天的に「数字に強くなる」ことができます。大事なのは、「この計算はどうすれば一番サボれるか?」を考えることです。全力でかわいくしてしまいましょう。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)