それに大きく貢献したのが、先々代から60kgの軽量化。60kgと言っても、たとえば元々2t近い重量だったものから削ったのとはワケが違います。すでに700kgを切っているクルマからさらに60kgも軽くし、車両重量610kgを達成したのですから。

スズキの新プラットフォーム「HEARTECT」
圧倒的な軽量化を実現したのが、先代アルトから採用した新プラットフォームの「HEARTECT(ハーテクト)」。ただ、アルトが登場した時はまだこの名称が使われておらず、私の記憶では2017年2月にフルモデルチェンジした現行型ワゴンRからこの名称が使われるようになりました。

従来のプラットフォームは骨格が屈曲しているなどして、強度的には不利な面がありました。その状態で必要な強度を出すために多くの骨格を使用していたので、どうしても重くなってしまいます。
HEARTECTは屈曲した骨格を最短距離で滑らかにつなぐことでシンプルな形状になっています。これにより剛性、衝突時の強度、軽量化などを同時に高めることができたといいます。
さらにHEARTECTでは車体だけでなくサスペンション部品も骨格部品の一部として利用することで部品点数を削減して軽量化を実現。そして骨格同士が結合する構造的に強い部分で部品を固定し、補強部品の点数を削減しています。