改めて断言すると、オンラインカジノ(実際にカネをかける賭博ゲーム)を日本で遊ぶのは、違法である。刑法185条、186条に抵触する。
一方で、グレーの根拠としてよく言われていたのが、16年に京都府警がオンラインカジノに参加した人を単純賭博罪で逮捕したが、「結局不起訴になった」というウワサだ。結論からいうと、このウワサはデマである(政府答弁書で否定されている)。

他方、「大阪でカジノが解禁するじゃないか」という声もある。確かに、2025大阪・関西万博の跡地(夢洲エリア)で30年にIR(カジノを含む統合方リゾート)が開業する計画が進んでいる。
しかし、日本でカジノが解禁されても、IR整備法で許可されたカジノ施設以外でのカジノ行為は禁止されたままで、オンラインカジノが許可される見通しはない。今後も警察はオンラインカジノで遊ぶ人を摘発していくだろう。摘発の基本は、掛け金で使う決済口座を監視し、クレジットカード会社など決済代行業者を締め上げることなので、そんなに難しくはない。
オンラインカジノが違法ではないと妄信していた人が多いのは、インフルエンサーの口コミに加えて、「海外では合法だ」とオンラインカジノが宣伝していたこともあるだろう。米国(一部の州)、イギリス、カナダなどオンラインカジノが合法の国はある。実際、現地で許可され合法なオンラインカジノを、現地で遊ぶことには問題ない。
ただし、それでも注意しないといけないのは、米国でいえば州単位でそうした規制があり、合法になるのは州内の居住者限定、決済口座も限定など、ローカルルールが細かく厳しいことだ。
例えば一時期ネット広告でよく見かけた「ベラジョンカジノ」は、カリブ海にあるオランダ領キュラソー島の許可を得ていると宣伝していた。が、それはあくまでキュラソー政府が認めただけで、キュラソーに居て遊ぶ分には合法ということにすぎない。なお、キュラソーのライセンスは取得が緩いことで知られる。
さらに問題なのは、どこの国のカジノライセンスも持っていない、完全違法なオンラインカジノである。カジノゲームが公平に行われているか否か誰も担保していないし、払い戻しが行われるかも分からない。そんなものにクレジットカード情報を渡すなど、恐ろしいばかりだ。このあたりが、オンラインカジノはリテラシーに疎い、いわゆる「情弱」な人が陥りがちといわれるゆえんだろう。