保険大激変 損保の構造的課題が生保にも飛び火!#13Photo:PIXTA

2025年4月から生命保険業界で最大の営業職員チャネルを持つ日本生命保険が、アクサ生命保険の看板商品である変額保険「ユニット・リンク」を販売する。近年、生保各社が続々と新商品をリリースするなど、すでに変額保険市場は盛り上がりを見せているが、日本生命とアクサ生命のタッグにより変額保険は本格的なブームとなりそうだ。ただし、変額保険には他の保険商品にはないリスクもある。特集『保険大激変』の#13では、変額保険に入る前に押さえるべき3大ポイントを解説する。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

日本生命×アクサ生命がタッグ
変額保険に生保各社が大注目!

 医療保険や死亡保険など数ある生命保険の分野の中で、今最も注目されているのが変額保険だ。

 変額保険は万が一のときの保障と、資産形成の両立が図れる保険商品。契約者が支払った保険料を保険会社が株式や債券、投資信託などで運用し、その実績に応じて保険金や解約返戻金の額が変動するものだ。

 資産形成といえば株式や投資信託の購入、NISA(少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用を思い浮かべるだろう。だがこれらの金融商品には、自分が死亡した場合などの保障はない。

 一方で変額保険はあくまで保険商品であるため、死亡した場合には死亡保険金が支払われる。変額保険は契約した直後から、万が一の場合に備えつつ、資産形成もできるというわけだ。

 変額保険は以前からあった保険商品だ。それがにわかに脚光を浴びるようになった最大の理由は、昨今の株高などで運用環境が好転しているからだ。

 NISAのスタートによって、多くの人が資産形成に目を向け始めた。保険会社はそれを好機と捉えて変額保険市場への新規参入や新商品投入を決め、それがさらに人々の耳目を集めるという相乗効果が起きている(詳細は本特集#11『【変額保険ランキング2025】1月に新商品投入の「はなさく生命」がいきなり上位に!保険のプロ30人が厳選【人気商品の比較表付き】』参照)。

 そんな中で2024年12月、業界盟主の日本生命保険が、アクサ生命保険の変額保険「ユニット・リンク」を販売すると発表。変額保険ブームが本物であり、25年に本格的な盛り上がりを見せると生保業界の誰もが確信を持つことになった。

 だが、変額保険には特有のリスクや、知っておくべきポイントがある。NISAをきっかけに、人々の資産形成意欲が高まっている今だからこそ、冷静に商品の特性を理解するべきだ。次ページで詳しく解説する。