西堀 まぁ、海外に行って、楽しそうにしてたら見どころが弱いから、きつくなっちゃうところもあると思うんですよ。臨場感を出すために。…にしても、やられたほうは忘れないよ。この時は結束しましたね。滝沢と険悪ムードな時期だったけど、ちょっと復活しました。
サラリーマンの人が上司の悪口で盛り上がるの、分かりますよ。ロケの期間、ベッドまで行っておしゃべりしましたもん(笑)。
仕事がなく下り坂のなか、すでに貧乏に順応
滝沢 そういう嫌なヤツってごくたまにいるけど、大体、仕事全体が不穏な空気になる。エラそうなこと言って、約束していた額のギャラをくれなかったり。
西堀 「半分しか出せないんですが」って、撮った後にな。信用できないですよ。そういう人って、口止めなのか知らないけど「食事会に行きませんか」とか言ってきたりして。当然行かないけど。
滝沢 結局、この時2週間のロケに行ったのって、2週間のスケジュールがあるってことですからね。何も仕事がないの。
西堀 360°(サブロク)モンキーズも同じオーディション受けてたね。
滝沢 スケジュールがあるヤツを出しますからね。うん。
西堀 西堀 下り坂真っ只中。食えてないんだけど、でも、そんなにハードにバイトした思い出がないんだよね。「ヤバい、ヤバい」と言いながら、すでに貧乏に順応してたんだな。ま、23年の5月まで金はなかったわけだからね。だから、この頃は貧乏ほやほや。
そんななか、12年と14年の『THE MANZAI』では、認定漫才師50組(本選サーキット=準決勝に出場できる)に選ばれたんだよ。それでちょっとモチベーションが上がった記憶がある。

滝沢 それで、14年の大会は結構懸けてたんじゃないかな。
西堀 懸けてた。周りの芸人にも「決勝大会に行ける」って言われてた。
滝沢 うん、そうそう。
西堀 でもなんかね、また直前で変えてるんだよ。「決勝に行く」って言われた時にすごくウケたネタが、なかなか再現できなくて。「もう1回」ができなかった。『THE SECOND』でやったネタと似ていたと思う。ポイントポイントで、今も繰り返している要素が紛れ込んでる(笑)。
滝沢 本選サーキットって、2回ネタをやるんだよね。それで、1回目がドスベりに近い感じだったんだよ。2回目は悪くなかったんだけど。1回目がスベりすぎてダメだったね。
西堀 我々、定期的に無駄なチョイスミスっていうのをやってしまうんですよ(笑)。「なんでここでこんなことをした?」って、当時の自分でも分かっていないと思う。