大きなカエルを食べるのは、気が引ける人におくる
「上手なカエルの食べ方

原書の『Eat That Frog!』原書のカバーは、ご覧のとおり、本物のカエルの写真が使われています。日本版だけ、可愛いカエルのイラストを採用しています(本ページ下部を参照)。イラストレーターは荒木慎司さん。荒木さんのイラストのおかげで、読者層もひろがりました。

 「でも、大きなカエルを食べるのは気が重いし、大変そう」と思う読者のために、著者は、こんな言葉をおくります。

 大きく重要な仕事になかなかとりかかれないのは、主として、初めはあまりに大きくて大変なように見えるからである。大きな仕事を細切れにするやり方を、「サラミスライス法」と呼ぼう。仕事を細分化し、一つずつこなしていくのだ。サラミを一枚ずつ食べるように、カエルを一かけずつ食べるわけだ。覚えておいてほしいのは、あなたの心の奥底には、「完成へと駆り立てるもの」があるということである。(110ページ)

 また、もうひとつの方法として、「スイスチーズ法」という方法も紹介しています。これは、スイスチーズの穴のように、仕事に穴をあけることによって自分を仕事に向かわせるものです。

 つまり、一定の時間だけ仕事をする方法です。5分か10分仕事をすると、やめてほかのことをする。カエルを一口食べると、休むかほかのことをするわけです。

 著者は、本書の中で何度も「行動が大事」と繰り返して説きます。読んだだけで、「カエルを食べてしまえ!」の奥義をわかったような気になって、動かない読者のことを心配して、何度も語りかけてくれます。やろうかどうしようか迷っている読者の背中をそっと押してくれるような著者の語り口に、読者への愛を感じます。口コミでロングセラーになっているのも、そのあたりに理由があるのかもしれません。

 この本の巻末には、「ぐずぐずせず、より多くの仕事を速やかにやりとげるための21の原則」がまとめられているので、最後にご紹介したい思います。

ぐずぐずせず、より多くの仕事を速やかにやりとげるための
21の原則


1.目標をはっきりさせる
2.一日の計画を立てる
3.「80対20の法則」をすべて当てはめる
4.結果を考える
5.常に「ABCD法」を実践する
6.カギとなることに専念する
7.能率の法則にしたがう
8.周到に準備する
9.宿題をする
10.才能を掘りおこす
11.足を引っ張っているものは何か?
12.一度に一樽ずつ
13.自分を追い込む
14.最大限の力を発揮する
15.自分を奮い立たせる
16.後回しにするべきもの
17.最も難しいものから始める
18.仕事を細切れにする
19.まとまった時間をつくる
20.切迫感をもつ
21.仕事を中断しない

 


◇今回の書籍 15/100冊目
『カエルを食べてしまえ!』

「カエル」とは一番大きく重要なこと。
一番重要でやっかいな事からすませなさい!
「もし生きたカエルを食べなければならないなら、座り込んでじっと眺めたりしてはいけない」つまり、真っ先に「あなたのカエルを食べること」を日課にすることだ。あまり考え込んだりせずに。

ブライアン・トレイシー 著
門田美鈴 訳

定価(税込)1,260円

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