本来なら“下り”だが京都へは“上り”
ビビッと来て路線を紡ぐ曲が誕生
――名曲の誉れ高い京阪電車のメロディですが、“続けると一曲になる”というアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか。
京阪電車から案件をいただいたあと、まずは淀屋橋から出町柳に向かう特急列車のメロディを手がけました。そこであることに気付いたのです。関西では当たり前のことなのかもしれませんが、起点の大阪から終点の京都に向かう電車が“上り”なんですよ。その“上り”ということにビビッと来るものがありました。
――起点から終点に向かうので、本来なら“下り”になりますよね。
京都は間違いなく“みやこ”だということです。つまり、「京にあがる」ということです。それなら、「京都へのリスペクト」をメロディに盛り込んでみようと思った。だから、メロディも「京都に向かっていく」というイメージなのです。
――淀屋橋駅のメロディも独特な印象ですよね。
淀屋橋駅のメロディラインは和旋律を意識したものにしました。和太鼓や鼓の音も盛り込んで雅な印象のものを作りました。それをサンプルとして提案したところ、気に入っていただいたようで、即刻返事がきました。「すぐやってください!」と(笑)。
――京橋は明るく、そして、複々線区間はダイナミックなイメージです。
天満橋は地下駅ですが、京橋からは地上に出るので、一気に明るい雰囲気に変えました。そんな感じで、あれこれイメージが膨らんできます。そのうち、「繋がるかもしれない!」と思い始めました。路線が持つストーリー性に気付いたんですね。
具体的には、天満橋~萱島間は複々線区間で、電車もダイナミックな走りを見せます。それが複線に戻って枚方市(ひらかたし)、そして、丹波橋の辺りになると曲線区間が増えて、速度制限もかかるようになる。そういったところには、その場所に合ったメロディを入れていく。また、1駅挟んだだけで停まる中書島(ちゅうしょじま)と丹波橋は少し似たような音楽にするとか、変化を付けたりしました。