イメージが確立されるまでは「変えない」ことも大事

F:イメージを変えずに造り変える。なるほど。言い方は悪いですが、大きく変えるのが怖かった?

五:変えるのが怖いかどうかと聞かれれば。正直、怖くもあります。

F:そりゃそうですよね。だって現状しっかり売れていたのだから。変えてもし売れなかったら、「どうするんだよお前」、と言われてしまうわけで。

五:そう。そうなんですよ。だから大きく変えるタイミングがあるとすれば、もっとしっかりと「あの顔がアウトランダーですよ」という認識が日本で確立されてからではないのかな、そこが正しいタイミングではないのかなと思うんですよね。

F:なるほどなるほど。いや~実に興味深い。

 アウトランダー開発者インタビュー、このお話は次号に続きます。

(フェルディナント・ヤマグチ)

PHEV、何カ月も給油しないとガソリンが劣化する?

 こんにちは、AD高橋です。

 先週お届けしたアウトランダーの試乗レポートで、フェルさんは以下のように書いています。

 最大の変更点はバッテリーだ。容量が20.0kWhから22.7kWhに増加し、それに伴ってEV航続距離が87kmから106km(M以外のグレードは102km)へと延長している。バッテリーだけで100km超の走行が可能なのだ。普段使いで100kmも走ることは珍しいから、日常生活ではほとんどEVとして使用できることになる。使い方によっては何カ月も給油をせずに済んでしまうので、タンク内のガソリンが劣化してしまわないかが心配だ(ガソリンは半年を過ぎた頃から揮発と酸化によりガクッと劣化しますからね)。

 使い方によっては何カ月も給油をせずに済んでしまうので、ガソリンが劣化する。これには私も同感です。

EVと違いPHEVは燃料タンクが備わり、タンク内では燃料が揮発するEVと違いPHEVは燃料タンクが備わり、タンク内では燃料が揮発する(広報写真)

 少し古いデータですが、国土交通省が出した「エコ通勤アンケート」(平成21年度)によると、マイカー通勤をしている人の平均通勤距離(片道)は10.5km。往復でも20kmちょっとです。アウトランダーPHEVに乗っている人なら、エアコンや各種電装品をガンガンに使っても、一度もエンジンがかからずにモーターのみで走行できます。そのため、しばらくロングドライブをせずにモーターのみで走行していると、燃料タンク内でガソリンが揮発したり酸化したりする可能性があるのです。

 しばらくロングドライブの予定がない場合は給油量を満タンではなく少なめにしたり、たまにチャージモードにして燃料を使ってあげたりしたほうがいいかもしれませんね。