内臓脂肪を燃やして肥満を解消するには、朝より夕方の運動が有効です。早稲田大学の柴田重信教授のグループは、同じ60分間の運動を朝にした場合と夕方にした場合のどちらが効率的であったか、運動2時間後の採血検査で比較しました。運動後に脂肪が分解されて遊離脂肪酸ができますが、その量は夕方の運動のほうが増えていました。夕方のほうが体温が高く、脂肪を分解するリパーゼのはたらきが強くなることで、効率的に脂肪が燃焼するためです。

 血圧を下げるためには、いつ運動すると効果的でしょうか?

 運動習慣で血圧が下がることはよく知られていますが、時間治療の観点からいえば「いつ運動するか」で下がり方に違いが見られます。体内時計が、朝・昼・夜の血圧の変化を調節しているからです。

 早稲田大学・柴田教授のグループが、2343人を対象に運動する時刻と血圧の関係を調査したところ、夕方(18~21時)に運動すると効果的に血圧が下がることがわかりました。

図表4:夕方(18~21時)に運動すると効果的に血圧が下がる図4.6 夕方(18~21時)に運動すると効果的に血圧が下がる 同書より転載
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 同時に中性脂肪も低くなる一方、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)は高くなることも判明しました。前述のとおり、夕方は朝より体温が高く、全身のエネルギーが使われやすいために、脂肪が燃焼しやすくなることがその理由です。

 高血圧の人はもちろん、今は血圧が高くない人も、朝よりも夕方に軽い運動をすることがおすすめです。取り組みやすい運動として、まず歩くことから始めてみてはいかがでしょうか。脚を交互に動かすウォーキングのリズミカルな運動には、交感神経の緊張をやわらげる効果もあり、一石二鳥のメリットを得られます。