この春、多くのZ世代が新社会人となりました。フレッシュな新人の活躍に期待が膨らむ一方で、彼らとどのようにコミュニケーションを取ればいいのか、不安を抱える上司世代は少なくありません。これまで当たり前のように部下に伝えてきたことが、Z世代には通用しないことがあるからです。
そこで、日本、中国とも100万部超、世界でシリーズ累計259万部突破のベストセラー『伝え方が9割』の著者、佐々木圭一さんに、Z世代にも気持ちよく対応してもらえる「伝え方」を教えてもらいました。

【Z世代に通じない!】昭和の上司がやりがちな残念な伝え方Photo: Adobe Stock

歓迎会の幹事をやって!

春は歓迎会の季節でもあります。新しくチームに入ってきた新人とともに、お酒を酌み交わしながら皆でワイワイ交流を深める機会を、楽しみにしている上司世代も多いのではないでしょうか?

しかし、Z世代の中には、会社の飲み会を嫌がる人も少なくありません。「仕事じゃないなら、参加したくない」という声も聞かれます。ましてや歓送迎会の幹事なんて、若手が最も避けたい役割の一つと言えるでしょう。

とはいえ歓迎会の幹事を任せられる人がほかにいない…という場合、入社2~3年目の若手にお願いしなければならないケースもあることでしょう。ただ、「歓迎会の幹事をやってくれない?」とそのまま伝えてしまうと、Z世代のど真ん中である彼らのやる気を著しく下げてしまう恐れがあります。場合によっては「それって残業代つくんですか?」「そもそも、なぜ私がやらないといけないんですか?」などと反発されてしまうかもしれません。

Z世代新入社員のモチベーションをあげる伝え方

そんな時は、このように伝えるといいでしょう。

◎「本田さんはお店選びのセンスがいいから、歓迎会の幹事をやってほしくて。お願いできない?」

これは、伝え方の技術「認められたい欲」を使った伝え方です。人は、認められると相手の期待に応えたくなります。「お店選びのセンスがいい」と伝えれば嬉しさを覚え、「じゃあ探してみようかな」「あの店なんていいんじゃないかな」などと、決してイヤイヤではなく自ら率先してお店選びに動いてくれるでしょう。

伝えたいことはいずれも「幹事をやってほしい」ということ。でも、「幹事をやって!」とストレートに伝えると「面倒くさいな」「私は大切にされてないんだな」などとネガティブに受け取られてしまう可能性があります。伝え方の技術を使い、少し言い方を変えるだけで、相手が気持ちよさを覚え、依頼を受け入れやすくなるのです。場合によっては「この上司は普段から自分のことを見てくれている」とより好意的に受け止められ、仕事のモチベーションも上げられるかもしれません。