RADWIMPSの主題歌と共に流れる
近未来的なタイトルバックの意図とは?

 この導かれるイメージは、タイトルバックにも表れている。

 RADWIMPSによる主題歌『賜物』が流れ、現れたのは近未来的映像だった。てっきり『アンパンマン』的な牧歌的な画像のタイトルバックを想像していたのに、想定外の展開。朝ドラにしては斬新なタイトルバックのコンセプトを倉崎CPはこう語る。

「今田美桜さんが線に導かれていく様子は、嵩とのぶの関係性も表しているなと思います。戦前、戦中、戦後の激動の時代を今田美桜さんが駆け巡る。これがひとつのコンセプトとなっていて、なぜ役の衣装にしなかったかというと、現代を生きる今田美桜さんが戦前、戦中、戦後を旅するようなことがやりたかった。

 それと、一本の光のような線が出てきます。のぶと嵩がしんどい時もつらい時も、一本の線をずっと追い続けたことで、『アンパンマン』に結びつくというイメージです」

 この近未来的なタイトルバックを演じた今田美桜さんに会見で感想を聞いてみたとき、のぶと嵩の関係性を感じるような出来事があった。

「撮影はすべてグリーンバック〈編集部注:後日、別の映像と合成するために使われる撮影用の緑の背景〉だったので、足元に穴が空きますなどと状況を説明されるまま動いていて、出来上がりの想像がつかなかったです。でも、出来上がったものを見て、想像以上に素晴らしくて、明るさと楽しみと喜びなど、いろいろなものが感じられると思いました」

 今田が感想を語ったあと、筆者はさらに彼女に、コンセプトをディレクター(タイトルバック制作 涌井嶺)から聞いたのか?と尋ねた。

 すると傍らの北村が「僕の解釈を話してもいいですか」と言う。北村にも感想を聞きたかったので大歓迎だ。そして北村は、すらすらと考察を語りだした。