会見で北村匠海が語る語る!
解像度の高い解釈

「このタイトルバックを見て最初、僕も、すごく現代的なものが入ってきたなと思いました。そこにいるのはのぶでなく、かといって100%今田美桜かっていうとそうじゃない気がして。時代とともに街の風景がどんどん移り変わっていきます。

『あんぱん』でも、嵩は高知に来て、それからまた東京に出ます。当時の銀座の風景だったりとか、戦争があって焼け野原になってしまったり。CGによって高知や東京、街が移り変わっていく中を今田美桜という女優が演じている様を見ているようで、僕は見ていてだんだんと泣けてくるんですよ」

 とても饒舌な北村。さらにその画面に流れる、RADWIMPSの『賜物』についても、RADWIMPS信者なので、と照れ笑いしながら、語る、語る。

「全曲通して、変拍子があれば、ピアノソロもあり、打って変わってものすごく激しいところもあったりして。人生とは、あたたかいだけでは終わりませんし、悲しいこともありますよね。そういう心の機微に寄り添ってくれる楽曲だと思います」

 これだけ解像度の高い解釈にたどりつくまでに、タイトルバックをいったい何回見たのだろうか。北村匠海の解釈を、倉崎CPは全面的に「正解です」と肯定した。筆者的には歌詞もすごく刺さって、やっぱり泣けてきた。

 ドラマではのぶが嵩を導いていく設定だが、嵩には深い洞察力や想像力があり、なんだかんだで、ふたりは互いを補い合っているのだろう。この麗しき関係性を、今田美桜と北村匠海が的確に意識して演じようとしていることが垣間見え得る会見であった。

 タイトルバックから感じる昭和に誕生した名作を現代と切り離すことなく、地続きに見せようとする試みも含め、きっとこのドラマ『あんぱん』はいいドラマになる。今田と北村の会見の発言を見て筆者は確信した。

「逆転しない正義」「御免与(ごめんよ)駅」、はつらつとしたのぶの子役・永瀬ゆずな、知性的な嵩の子役・木村優来。ジャムおじさんぽい阿部サダヲ、一気に登場する松嶋菜々子、加瀬亮、吉田鋼太郎、江口のりこ、竹野内豊……と豪華すぎるキャストなど、書きたいことは、ラストに出てきた山盛りのパンのごとし。濃密な第1回だった。

「これは泣くわ…」RADWIMPS×今田美桜のタイトルバックが刺さりすぎる【あんぱん第1回】