懇親会を盛り上げる
おすすめの方法とは?

 これまで私はコンサルタントとして、多くのお客さまの会社の発表会や懇親会に参加してきました。その経験則上、はっきり言えることは、発表会で社員が経営者やリーダーの言葉を真剣に聞き、懇親会は大いに盛り上がるという会社は、とてもいい会社だということ。

 反対に、発表会で社員が経営者の言葉を上の空で聞いていたり、他人事として聞き流していたり、最悪は居眠りをしていたりする会社や、懇親会に仕方なく参加している態度がうかがえる会社は、駄目な会社と言えます。

 懇親会を盛り上げるためには仕掛けも大切です。

 最も盛り上がるのは、優秀社員や優秀営業所を発表する表彰式です。「感動大賞」といって、前年度に最も感動的だった人や組織を表彰している会社もあります。

 多くの社員は懸命に働いているので、それを会社や仲間が認めた証しとなる表彰はうれしいし、感動して涙を浮かべる社員も多くいます。

 表彰された社員は今年度も頑張ろうと思うし、拍手を送っている社員にとっても次は自分が表彰されたいという目標ができます。営業所が表彰されれば、営業所の士気が上がります。

伝わる話し方をする
3つのコツ

 ただ、発表会、懇親会という器を準備したとしても、そこで話す経営者やリーダーの言葉が社員に的確に伝わらなければ効果が上がりません。ところが、経営者の話が要領を得ず、言いたいことが伝わらないことは珍しくありません。その一番大きな原因は、経営者やリーダーが話し方の工夫や訓練をしていないところにあります。

 私が講演会などで話をする時に心がけていることは、話のポイントをはっきりさせること。経営者やリーダーの中にはダラダラとしゃべり始めて、話があちらこちらに飛ぶ人がいますが、それでは社員が真剣に聞いていたとしても、何がポイントかが分からず、伝えたいことが伝わりません。

 次に、一つの文章を短くすること。句点から句点が長いと、伝えたいことが伝わりません。私は物書きでもあるので、文章の区切り(句点から句点まで)の長さを短くする訓練を積んでいますが、そうでない経営者は、まず書く訓練をするといいでしょう。

 人前で話すことが苦手な人は、リハーサルすることをおすすめします。今はスマホで簡単にビデオ撮影や再生ができるので、自分の話す様子を撮影し、話し方や癖、話す内容をチェックして修正することで、社員に伝わる話し方ができるはずです。

 ポイントを繰り返すと、何を話したいのかを明確にし、話す内容をだらだら続けずに短い文章で区切る。ときには話す様子をビデオに撮って見返し、リハーサルする。このことを心がければ、伝えたいことが伝わる発表会になるはずです。