「台本どおりにいかない」が武器になる、想定外を味方につける仕事術
【YouTube総再生回数60億突破】知る人ぞ知る凄腕クリエイターが初めて明かす「圧倒的な企画力」のすべて。企画・マーケティング・クリエイター・営業職 必読のトップYouTube作家&マーケッター、初の著書『YouTube作家がこっそり教える 「ウケる企画」のつくり方』(ダイヤモンド社)は、企画に悩む、すべての人に向けてノウハウを初公開している。クリエイティブな仕事の全体像を俯瞰しつつ「見えない条件文」「企画発想技12選」「構成は木」「データとの向き合い方」など、わかりやすく解説。とっつきやすい「お題」も出題され、実演しながら学べる構成にもなっており、学びになるコンテンツが満載だ。現在、約30チャンネルへ企画提供をしており、有名企業のコンサルティングやアドバイザーなどを行っている著者が、そのノウハウを「PDCA(計画・実行・評価・改善)式にわかりやすく解説した本書から、一部を抜粋・編集したものをお送りする。

「完成しなかったら?」から始める企画術――失敗も活かすプロの構成力Photo: Adobe Stock

想定外のことを前向きに捉える

 僕たちは、コンテンツの流れを想定するうえで、「その企画をやると、どんな結果になるのか」のパターンを複数考える。

 そこで早速、プロ野球選手の企画例をベースに考えてみよう。

【DIY】巨木を切り倒して世界に
1本だけのバットを自作してみた!

 山でキャンプをしながらDIYでバットをつくるという企画だが、実際に企画を実施してみないとわからない大きなポイントとして、「1回の撮影でお手製バットがつくれるのか?」という素朴にして根本的な不安がある。

 そのため、次の2パターンを想定しておく。

想定パターン①
バットが完成した場合

❶ 1回の撮影でお手製バットが完成した場合
完成直後、実際に試し打ちをするためにグラウンドへ

想定パターン②
バットが完成しなかった場合

❷ 1回の撮影でお手製バットが完成しなかった場合
作業場を押さえて、後日バット製作に密着。キャンプのシーンは「材料調達編」として、コンテンツのくくりを分ける

ハプニングも想定しておく

 慣れない環境での撮影になるため、「撮影中に何かしら、撮れ高のよさそうなハプニングが起きたらどうするか?」といったことも想定する。

 その場合は、次のようなことが準備できるだろう。

想定ハプニング①
テントが崩れたら?

❶ テントが強風で崩れてしまうアクシデントが発生する?
定点のカメラを1台セッティングしておく

想定ハプニング②:バットが折れたら?

❷ 試し打ちでバットが折れてしまうアクシデントがある?
バットづくりが大変だったことを回想し、哀愁を漂わせつつ少し笑える演出で、普段使っているバットの耐久性にあらためて脱帽するトークをしてもらう

ハプニングは“チャンス”になる

 もちろん、このほかにも撮影当日に、何か別のアクシデントがあるかもしれない。予定外のことが起きてしまうのは、よくないことだと思う人もいるかもしれないが、人命に関わることでなければ、アクシデントはチャンスといえる。

 なぜそうなってしまったのか、などを細かに説明することで、小さなドキュメンタリーになるのだ。そして、そういった予定外のことが起きたときこそ、僕たちYouTube作家の腕が試されるとも思っている。

 少々極端に言うと、「ハプニングはウェルカム」なのだ。

台本通りでなくても価値はある

 YouTubeでは、台本通りにならなかったらボツということはない。

 僕たちがこれだけ企画や構成に向き合って考えていたにもかかわらず、それでも予想だにしないことが起こったなら、それは視聴者にとっても意外性抜群なはずだ。もちろん、「目的に沿わないのでカットする」と判断することもある。

 そんなときは次々項でお伝えする「サブチャンネル」で公開するなど、使い道はあるのだ。

※本稿は、『YouTube作家がこっそり教える 「ウケる企画」のつくり方』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。