
動力性能、ドライブフィールは?
悠々とクルーズ状態をキープ
ステップワゴンe:HEVの駆動用電気モーターの出力は135kW(184os)と、ライバル車であるトヨタ自動車の「ノア/ヴォクシー」や日産自動車の「セレナ」と比べて最も強力だ。発進時からいきなりフルパワーを出せる出力135kWは、120km/hまでの速度レンジにおいて、内燃機関車の3リットル級に相当する。
実際、余裕の動力性能で思いどおりの運転ができた。GPS計測による実速度ベースの0-100km/h(メーター読み105km/h)加速タイムは、Dレンジでの単純な発進で8.6秒。1.8トン超の4.7m級ミニバンとしては俊足だ。
e:HEVは、中高速域の軽負荷運転時には直結クラッチでエンジンとドライブシャフトが結合され、電気モーターがアシストに回るパラレルハイブリッドになる。が、ほとんどの時間はエンジンが発電を行い、得られた電力で電気モーターを回して走行するシリーズハイブリッドモードだ。
メーターにシステム状態を示すパワーフローを出すと、シリーズモードからパラレルモードに切り替わった時、小さなギアのマークが表示される。その切り替えは洗練されており、クラッチの動作をトルク変動やショックで察知することはほぼ不可能だった。
ホンダが初めてこの形式のハイブリッドを出したのは、2013年の「アコードハイブリッド」だ。しかしそれは、発電機の騒音が大きく、シリーズとパラレルの切り替えも体感できる状態だった。当時に比べて進歩した感がすごい!
アクセル全開時の加速性能の高さとは裏腹に、普段は至って柔らかな加速感だ。車体が揺れてアクセルの踏み込みが変化しても、それに過敏に反応することなく、悠々とクルーズ状態がキープされる。電気系のノイズは良好に遮断され、エンジンがかかっていない時はロードノイズの低さと相まって車内は平静だった。
