知っておきたい相続対策のポイント

 相続税をひととおり勉強したら、相続対策を実施してください。その場合のポイントをあげておきます。

1. 相続対策は事前に
 相続対策は、いざ相続があったときに始めるのでは遅すぎます。相続開始後でも「配偶者の税軽減の利用」などの対策がないこともありませんが、ほとんどの対策は事前に、それもできるだけ早目に実施すべきでしょう。有効な相続対策を実施するには、時間がかかります。

2. 納税対策を中心に
 バブル経済以前は、土地を売ろうとすれば売れる時代でした。したがって、相続税の納税資金は土地を処分すれば、つくることができました。しかし、バブル経済崩壊後は土地がなかなか売れない状況です。相続税をどうやって納めるかに多くの人が苦労しています。

3. 争族対策も考えて
 たとえ、相続税を払わなくても済むという人であっても、「争族」のことを考えておかなければなりません。最近では、遺産をめぐるトラブルが急増しています。なんでも「カネ、カネ、カネ」という世相が、相続にも反映されているのでしょう。争族を防ぐために、親の遺志を子に正しく伝えるためにも、遺言を利用することをお勧めします。

4. 専門家に相談を
 現在では、相続税関係の本が多数出版されています。そうした本では多くの相続対策を紹介していますので、まずはこうした本を読んでみるのがいいでしょう。

 しかし、これらで説明していることは基本的なこと、一般的なことに限られてしまいます。相続対策は、財産の構成や家族の構成に応じて個別的にたてるべきもので、ただアパートを建てればよいとか、そういうものでもありません。

 また、相続対策をたてるには、相続税法の知識に限らず、民法、所得税法、法人税法その他の税法の知識はもとより、不動産や株式の知識も不可欠です。さらにやっかいなことに、税法は毎年のように改正されます。昨年まで有効だった相続税対策が今年になると無効だったということもあります。

 相続対策では、まずは本を読んで基本的なことを理解してから、専門家に相談することをお勧めします。 


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