コロナ禍でテナントが撤退しスペースが空いたことで、近年は全国各地で空港ラウンジの新設・改装が相次いだ。特に、成田では好調なインバウンドを背景にラウンジ開業ラッシュである。

 ASPIREラウンジ(欧州系)、プラザ・プレミアム・ラウンジ(香港系)、IASS EXECUTIVEラウンジ(日系)、そして2月にはターキッシュエアラインズが自社ラウンジをオープンさせた。専用の窯で焼いた伝統料理「ピデ」(ピザ風のパン)をはじめとするトルコ料理、日本料理、アジア料理のビュッフェを提供するなど、豪華なラウンジに仕上がっている。

ANA・JALの空港ラウンジ「共通化」にマイル上級会員は何を思う?“改悪”とは言い切れないワケを専門家が解説成田空港のターミナル1南ウィングにできたターキッシュエアラインズのラウンジ。トルコの伝統的な大理石模様であるマーブルアートを採用 写真:ターキッシュエアラインズ
ANA・JALの空港ラウンジ「共通化」にマイル上級会員は何を思う?“改悪”とは言い切れないワケを専門家が解説トルコ国外では最大(完成後は総面積1500平米)の広さで、スターアライアンスゴールドメンバー、スターアライアンス加盟航空会社のビジネスクラスとファーストクラス客も利用可能 写真:ターキッシュエアラインズ

 中部空港では、タイの空港ラウンジ運営会社コーラルグループが、国外初となる高級ラウンジを4月に開業した。小規模だが、本場のタイ料理を食べたりタイマッサージを受けたりできる。

 羽田の目玉は、今年夏頃に第3ターミナルでセンチュリオン・ラウンジが開業する予定だ。アメリカン・エキスプレスカード上級会員専用で、日本初登場となる。

ANA・JALの空港ラウンジ「共通化」にマイル上級会員は何を思う?“改悪”とは言い切れないワケを専門家が解説羽田空港に開設される「センチュリオン・ラウンジ」の内観イメージ図

 このように空港ラウンジは増えているのだが、それ以上に利用者が増えているので混雑に拍車がかかっている。空港ラウンジ世界最大手のコリンソングループは、2024年夏のアジア地域の空港ラウンジ利用者数が前年同期比71%も増加したと発表している(※)。