複数社による共通ラウンジは“改悪”なのか?
便利で快適ながらも問題を抱える空港ラウンジは、今後どうなっていくのだろうか。航空会社にとってマイルプログラムは顧客を囲い込む重要施策のひとつであり、上級会員の特典であるラウンジを強化するのは、ライバルとの差別化を図るためにも欠かせないことだ。一方で、財務上はマイルを発行し続けたまま消費されないと「負債」として膨れ上がる。
だが空港ターミナルの床は限られているし、航空会社はコストをかけたくないのが本音だろう。こうした考えから、複数社による「共通ラウンジ」がトレンドとなっている。先駆けとなったのは23年、熊本空港にANA、JALとカード会社が共同運営する国際・国内線共通ラウンジができたことだ。
その流れで今、旬なのが大阪万博に向けて全面改装した関西空港だ。3月、第1ターミナルの国際線に「KIX Lounge Premium」と「KIX Lounge Kansai」が開業。共通ラウンジであり、合わせて約4000平米、座席数は約800と例を見ない広大さだ。ビュッフェには寿司や日清食品のカップヌードルとコラボレーションするメニューが並び、インバウンド客に日本を印象付けるラウンジとなっている。

この共通ラウンジ開業に伴い、JALの自社ラウンジは閉鎖された。当然ながら、JALの上級会員の中には“改悪”だという指摘もある。「JALのサクララウンジのほうが好きだった」といった不満の声も聞く。なお、すでに国内線ラウンジは22年に共通化され、ANA・
しかし、ラウンジ利用者が増え続けることと、エアライン側のコスト削減を両立させるには、共通ラウンジ化しか手がないのが実態だ。熊本、関空に続いて今後も各地で共通化が進んでいくだろう。