ますます過熱する中学受験。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介する。

一科入試も増えつつある
中学入試の形態も多様化が進んでいます。教科型入試(一般入試)では、最も一般的な四科入試、関西に多い三科入試の他に、午後入試が増えたこともあり、受験生の負担を減らすために二科・一科入試も増えてきました。一科の主流は算数です。もともといくつかの男子校で実施していましたが、最上位層が午後に負担なく受験できる併願先として「巣鴨」と「世田谷学園(東京都)」が参入したのをきっかけに人気に火が付きました。
また「中学入試のハードルそのものを下げたい」という目的で中堅校・標準校が算数一科、国語一科を実施するなど、対象は広がっています。
新タイプ入試とは?
これらの教科型入試とは別に、大学入試改革の影響を受け、ここ数年で「新タイプ入試」が激増しています。首都圏の私立中学のうち、約半数が教科型入試と並行して新タイプ入試を実施しています。
具体的には、次のようなものがあります。
・適性検査型入試:公立中高一貫校の適性検査に似た内容。
・思考力入試:グループワーク入試、アクティブラーニング入試など。
・自己アピール型入試:ものづくり思考力入試、プレゼンテーション入試など。
他にも教科の垣根を超えた「総合型入試」、これから一気に増えてくるであろう「英語入試」、さらに新タイプ入試の種類自体も増えてくると考えられます。
これらは、子どもの思考力、表現力、主体性、創造性などを評価するものなので、塾の模試の結果とは全く関係ありません。
しかし、これら新タイプ入試で気をつけねばならないのは、まだスタートして数年しか経っていない学校が多いという点です。新タイプ入試が6年間続いていれば、その入試で入ってきた生徒の居場所があるということです。
一方、年々募集人数を減らしている学校は要注意です。単なる客寄せとして「新タイプ入試」をうたい、入試問題作成を外注している学校もあります。
本気で新タイプ入試に取り組んでいるか否かは、今のところ学校に足を運び“新タイプ入試で入ってきた生徒の様子”を見聞きするしかありません。
*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。